日本NPO法人を前提とした寄付先の選定は結構ハマりどころが多いものです。
選定対象からさくさくっと除外する事が多いから候補が少なかったり、ちょっと進呈しようと思っても調べてみると微妙だったり。
寄付するかどうかは二の次1としても、こんなんでええんかいなと思うNPO法人が多いのも事実でして…。

●事業報告書と決算書類すら開示していないNPOに寄付しろという方が無理がある
海外の非営利団体は大抵のところが管理も報告もきっちりしている。
特に小さい団体は各個人からの寄付に対し使途を寄付者の希望と摺り合わせて決定しているところもあり、スーパーのレシート並な報告書が写真付きで来たりする。読んでられないボリュームが来ることもありますが、「どこで何にいくら使ってこうなりました」という報告が来るのは嬉しいもの。特に非支援者を特定できているりすると成長が垣間見えたりもしますし。

国内団体は…さっぱり。もらったものは使わせてもらいます状態。
日本のNPOは法的に事業報告書と決算書類の提出は義務づけられているにもかかわらず、寄付者に対してWebで決算書類を出すこともしないのは如何なものか。
寄付でなく会費という形で下限を決めているところも同様。集めておいて「あとはおまかせ」は無いだろうと。

●経済活動のためのNPOが多い
これは大きく分けて4つ+それぞれの複合になるのですが、これらの団体に対する寄付って慈善寄付ではないよね?と思うのです。
寄付したとしても満足度低すぎるし。
1.業界広報団体化している
2.受益者からの寄付が多い
3.NPO法上のその他の事業からの収入が多い
4.法人税法で定義する収益事業を営んでいる

1.の場合は業界各社からの寄付と広告宣伝費で活動が賄われるため個人が寄付をする対象となることは少ないのでひとまず対象外。

2.の場合は、例えばwikipeiaが一例。wikipediaを使って便利だと思っている人が寄付をする。
この場合の寄付はユーザが任意の利用料を受益者負担的な意志をもって支払うことなわけで、相手がNPOだろうが個人だろうが営利事業者だろうが構わないわけです。
アメリカ在住者なら寄付金控除され…というのは別エントリで書いたとおりなんですが、これは寄付というより善意の利用料ですよね。

3.の場合についてちょっと説明すると、日本のNPO法人は収益を全額本来の事業のほうに入れること、収益を得る事業の支出が総支出の50%以下であることを条件に、主たる特定非営利活動以外に収益をあげる事業を行うことができます。
例を挙げると東京アートビート。「経費の30%以上は、助成金や寄付金によって支えられています」ということは、70%弱はその他の事業から得ている。
収支会計書を見てみると、短期借入を除く約2520万円の収入のうち、雑収入とその他の事業(広告事業)収入で約1740万円を得ている。助成金を含めると2285万円。
現在東京アートビートでは上記リンクから寄付を募っているわけですが、これは経営的に言うと「事業不足額を受益者であるWebsite/iphoneApp利用者からの利用料で補填」。
私もちょこっとだけ寄付+iphoneのAppを購入させて頂きましたが、個人的には「ありがたく使わせて頂いてます」としてのサービス料支払的認識です。
情報サービス業・インターネット附随サービス業は法人税課税対象33事業には入っていないので、この寄付とiphoneAppの売り上げを会計上業務売上として扱うのか寄付金として扱うのかも気になるところ。

4.の場合についてちょっとじゃない説明をしておくと、NPOだからといって一律非課税なわけではなく、営利企業と競合する事業の場合は法人税が課税されます。
課税収益事業の定義は、「事業場を設けて継続して行う、政令で定める34事業2のいずれかに該当する事業」。
わかりにくいんですが、「34事業は一般営利企業もやってるんだから不利益にならないよう課税するよ」というルールです。逃げ道いっぱいあるけど。
ここで面倒なのは「定款に書いてるだけなのか実際に収益あげてるのかどうか」をわざわざ損益計算書見ないと分からないということなのですが…。

おまけとして、財源に困らないNPOというものもあります。
主に資産家個人または法人が1名から数名で供出している資金で回っている事業者。
日本国内においても企業からの寄付金は「(資本金の0.25%+所得金額の2.5%)÷23」まで損金算入できるため、会長または理事が所有する法人からの寄付が財源となっている場合が多い。
それ以外にも元公的施設の運用を実施しており助成金が多い等の理由もありますが、基本的に安定的に入ってくる収益の中で支出していくため、外部からの寄付や収入を必要としない。

で、この5つに該当しない慈善事業的性格を持つNPOって何?と言われると、これが意外と少ない。
あるにはあるのですが、認定NPOばかり。そりゃそう…なんでしょうか。

  1. 参考までに現時点での個人的な寄付+寄付に近いものの対象を記載しておくと下記の通り。
    括弧内は内訳比率。今年はハイチ関連で比率が異常だけど。
    日本国内団体/個人 :
    ・若手アーティストに対する個人的な作品制作経費の援助(24%)
    ・美術館と博物館に対する寄付(9%、控除対象 美術館の個人賛助会員費用は除く)
    ・大学への寄付(10%、控除対象)
    ・ハイチ震災支援(22%、控除対象)
    海外団体 :
    ・大学への寄付(7%)
    ・自然保護活動への寄付(11%)
    ・発展途上国の生活、教育支援活動への寄付(10%)
    ・オーケストラへの寄付(7%) []
  2. (1)物品販売業 (2)不動産販売業 (3)金銭貸付業 (4)物品貸付業 (5)不動産貸付業 (6)製造業 (7)通信業 (8)運送業 (9)倉庫業 (10)請負業 (11)印刷業 (12)出版業 (13)写真業  (14)席貸業 (15)旅館業 (16)料理店業その他の飲食店業 (17)周旋業 (18)代理業 (19)仲立業 (20)問屋業 (21)鉱業  (22)土石採取業 (23)浴場業 (24)理容業 (25)美容業 (26)興行業 (27)遊技所業 (28)人材派遣業 (29)遊覧所業 (30)医療保険業 (31)技芸教授業 (32)駐車場業 (33)信用保証業 (34)無体財産権提供業 []
  3. 寄付先が認定NPOではない場合。例:資本等の金額5000万円、年間所得金額1億円で年間131.25万円まで []

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