昨日loftwork10周年記念チャリティーオークション境貴雄さんの作品を落札したわけですが、感想というか思ったことを。

●全体的な評というより感想
Ustreamでオークションを中継しつつ、twitterなり電話なりで遠隔から入札というのはいい方法。是非他のところでもやっていただきたい。
単に電話入札よりは状況が分かりますし、入札者の心理的にも有効でしょう。

とはいえ、よほど知名度があって値の決まっている作品以外は、事前previewは必要。
loftworkさんの会議室でもどこでもいいので事前に出品作品を一般に見せる場がある程度の日数あれば結果は違ったのではないか。

そもそも、今回は入札の事前登録が3名、うち1名は現地にいらっしゃったようでもう1名の藤井さんはロンドンからネットワークが繋がらなかったようなので実質的に遠隔から入札できたのは私だけ、というのは評するほどの母数がないわけだが…。
当日twitterを見ていた100人弱のうち何人が事前登録制ではなかったらbidしたのかが気になるところ。

●twitterから落札1した経緯など
今年はloftworkのパーティーに招ばれていなかった→当日Contemporary Art in Tokyoの中川さんにお誘い頂いたのですが時間に間に合いそうになかったので断念→UST中継を見つつtwitterから入札となったわけです。

しかしながら、実はもともと境さんの作品を知っている上に、同作品がtagboatで販売されていた時の値付けも知っている。
ということでノリとしては既存オークションへ電話入札してるのと同じ。
UST見ててついtwitterから入札しちゃった!というのとはちょっと違います。

●知らない作品でもWebカタログ+UST中継見て買えたのか
正直なところ買えません。一品ちょっと心が動いた作品があったのですが、それも
 ・元々作家の活動を知っていて他の作品を見ている
 ・だいたいの値付けを知っている
というもの。
それでも、作品によって出来が結構違う作家さんなので…
入札しようかなーとは思いましたが、考えていた数字は落札額には程遠いものでした。

●境貴雄さん
落札した作品の作家、境貴雄さんのwebsite。おまけでwikipedia
アートだなんだという前に面白い作品を作る人です。アイロニカルでありつつも初見一発で笑いを誘える作品を制作。

別のwebsiteでアズラー2のモデルさんも募集中。私も撮ってもらう予定。3月後半には小豆ヒゲな写真ができあがります。

  1. なんでも世界初のtwitterからオークション入札&落札らしいですが…ほんまかいな。海外だと既にありそうな気もしますが []
  2. アズラーについてofficialより
    近年、日本の人々の間では、小豆を顔に付けて「ひげ」に見立てるファッション(通称アズラー)が流行しています。
    古くはタトゥーやピアスと同様に、邪悪なものから身を守る魔除けを目的として用いられていましたが、最近ではカジュアルなファッションとして老若男女問わず、一般に定着しつつあります。
    また日本の新しい文化として海外メディアでもたびたび紹介されており、オタクやアニメに続く日本発のムーブメントとして、アズラーは世界各地に広まっています。
     …マジっすか!!!(笑 []

sudo rm -rf ./Library
と押すはずが
sudo rm -rf /Library
になってました。

このコンテンツ置き場所は/Library/Webserver/以下略1
…ものの見事に吹っ飛びましたさ。「.」が一個ないばかりに。

TimeMachineで片っ端から戻すわけにもいかず、ゴミ箱経由せずにぶっ飛ばしたためDataのサルベージにも失敗2
運良くどうにか戻せたので個人的に復旧メモ…を書く気力もないのでそのうち気が向いたら書く。

  1. OSX Serverなのがまるわかりです []
  2. サルベージできたことはできたのだけどディレクトリ構造とファイル名が失われているため実質的に無理 []

男子ハーフパイプ、予選が終わった時点でショーンホワイトが予定どおりのようにトップ。予選の段階ではダブルコーク以上は出さずにせいぜい1080までなんだろうなあとは思いますが何ですかその45点台。

男子モーグルも驚異の22秒台だし、4年間での進歩にえらくびっくり。

…なんで一般人の俺はなんも変わらんのですかね。
日々練習してるわけじゃない俺が4年たったからって勝手に720が決まるようにならないのは当たり前なんだけど、日々やってる事に何かちょっとは大きな進歩があってもいいよなあとこういう時に思うのです。

確かに4年間の間に携帯はiphoneになって移動中に観戦できるようになったけどさ。そんだけかい。

「アートと寄付はお金を使う感覚が似ているかも」というtwitterでの一言を見て考え始めたこのエントリ。
周辺情報の整理を含めてものすごく肥大化したため3つになりました。
分かってる人には「知ってるわい!」というネタが大すぎるのは恐縮ですが…。

そして当日にこのネタを語る飲み会の会場でUP。

本編はこのエントリ。
アメリカと日本の税制とマインドにおれる比較、日本で同様の制度とマインドになった場合の超ラフな試算編はこちら
アートというより寄付先選定を視点とした日本のNPO法人の現状ついての愚痴はこちら
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そもそもアートは営利活動です。作るにしても売るにしてもご飯食べなきゃいけませんし、過去に遡っても依頼者からの注文を受けて作品を制作納品して対価を得ていたわけですし、作品が貨幣との交換価値を持って流通するようになった後はなおさらです。

しかし、アートには寄付という概念がつきものです。
アメリカを例として税制やマインドにおいてどうかは別のエントリを参照頂くとして、問題はサービスです。
寄付にサービスというと違和感があるかもしれませんが、寄付する側は寄付の対価を最大化することを求めます。対価とは、ある人にとっては満足感かも知れないし、ある人にとってはそれをアピールすることによる社会的地位の確立かもしれません。
海外の美術館やオーケストラなどは、寄付者を満足させるために寄付額に応じたベネフィットを設定しています。レセプションや食事会への招待、内覧会、寄付者限定の演奏会、額によってはオケのメンバーが出張して小編成生演奏なんてオソロしいベネフィットを設定している所があったりもします。
アーティストも同様。作品制作費用の寄付を募る場合、制作過程の公開、一般公開前の内覧、作家からのメッセージカード、場合によっては出来た作品の優先譲渡権まで寄付額によって決まったりします。
日本のアートシーンでは、昨今、私立の博物館において賛助会員制度により海外の美術館に近いベネフィットを設定している所も増えてはきましたが、長年のあいだ寄付対象となるのが公共事業的な美術館・博物館がメインだったこともあり、ほとんどが「あくまでもノーブレス・オブリージなんだから。控除してるし」という程度の認識しか無いように思います。

…というのはこれまでの話。
インターネットの過剰とも言える普及により、実は寄付をベースとしたアート関連NPOの運営って楽になるのではないかというのが主題。

●そもそも寄付って何。何に使うの。
そもそも寄付とはなんぞやと申しますと、下記の2つを満たす収入。
・支出する側に拠出の有無と金額について任意性があること
・直接の反対給付1を受け取らないこと

アートにおけるNPOへの寄付の使い道を勝手に分類すると下記のようになる。
1.作品の制作費用
2.作品展示費用
3.作品の展示情報提供
4.作品の情報化(データベース化)
5.国際交流と海外への発信
6.啓蒙活動

ちょっと深読みしてみましょう。ポイントは「直接の反対給付を受け取らないこと」。
例えば、wikipediaへの寄付は広義の寄付なのか。
個人的には「任意のサービス対価」なんですが、定義としては寄付。
もうちょっと深く突っ込んでみる。
「不特定多数に対してインターネット上で公開されているメディアアートがある。その制作費と展示費用(サーバ代)を作品を指定して寄付する事は可能か?」
定款に芸術作品制作支援と芸術作品展示が入っていれば可能。対象を指定しての寄付は可能だが、法人の経理運営は面倒になる。
寄付を受けて制作した作品の権利はどうするのかという話はありますが、他所での展示および販売は作家に一任してタッチしない選択も可能。

●寄付の対価
インターネットが普及しようが時代が変わろうが、やはり寄付者には対価が必要。
なのですが、インターネットでのコンテンツやスキームに対する寄付の特徴として、実質的な事後支払いであることがあげられる。
例えば、「wikipediaに寄付するのはwikipediaを使ったことがある人」なわけで、
上記のメディアアート関連で言うと「当該作品または作家の過去の作品を誰でも見られる」という、対価の先出しが重要。

インターネットで対価の先出しが可能そうなものとしてぱっと思いつくのは下記。
多分ちゃんと考えたらまだまだある。
1.インターネット上で公開できるメディアアートへの制作費用・展示費用寄付→支援
2.インターネット上で展開できる展示情報提供(東京アートビートですね)
3.作品オンラインデータベース化→レゾネ化(公益型artprice?)

●課題
課題は投げ銭システムが必要であることとプロモーション。
インターネット上で寄付をする限り寄付者の特定は容易に可能だが、残念ながら寄付の手段自体が難易度が高い。
現在インターネット上で送金できるスキームは大きく分けて以下の6つ。
 ・インターネットバンキングを使用した銀行振込
 ・クレジットカード払い
 ・プリペイド
 ・電子マネー(主に携帯。ICカードリーダ経由は普及率からして無理)
 ・総合決済サイト(Yahooウォレット、paypal等)
 ・携帯キャリア課金
 ・iphoneのアプリ内での追加課金(税制とニッチさはあるけどアイデアとして)
選択と構築にあたっては、1に寄付の容易性、2にコストで選ぶしかない。もしくは作るか。
作るという選択肢を除外すると、選択肢は限られてくる。

小口の寄付を集めるのは結構難易度が高い。単純にPV数とコンバージョン率の勝負になるから。
近い存在で行くと、薄利多売型ECサイトの悪夢は結構ひどいものです。売り上げが片っ端から広告宣伝費に消えていく。
一社寡占的な状況なら違うのですが、競合がいるとひたすらコモデティ化一直線。
NPOだとコモデティ化はしないでしょうが、同額の寄付を得るために投下するサービスの増加という罠が待っている。小口の寄付を前提にしているとこれは致命的。
営利事業ではないからこそ、競合しないサービスの開発とviralに頼ったプロモーションを考えなきゃいけないというジレンマ。

なんか小口の寄付に拘ってるねーと思われるかもしれませんが理由は2つ。
インターネットでの小口投げ銭が心理的に容易なことは、iphoneや携帯でのApp売り上げ、各種楽曲の有料DLを見ていれば明らかだからなのが一つ、
もう一つは小口×多くの人からの寄付が認定NPOの要件だから。

●認定NPO化へのアプローチ
元々日本は1円玉募金小口寄付の社会ですから、薄く広く寄付を募るというありかたが正しいとされてきた。この考え方は現在も継続されており、社会的には認定NPOの要件であるパブリックサポートテストに反映されている。
パブリックサポートテストは、過去2年2の経常収入のうち、寄付金収入が一定割合以上であることが条件。
ここでいう寄付金とは寄付者1者あたりの寄付が1000円以上かつ総受入寄付金額の10%以下であり、寄付者が明確になっている必要がある。つまり、広く一般から支持されており寄付を受けていることが重要な要素。
インターネットでの投げ銭的寄付を積み重ねることは認定NPO要件を満たす方法として成立しうるかもしれない。
例示したiphoneや携帯でのApp売り上げ、各種楽曲の有料DLにおいては、1000円は決して小口ではないのだけれど…。

認定NPOになると何がありがたいのか。
まず、寄付時の控除額が増える3。個人からの寄付はほぼ全額が控除され、法人からの寄付は損金算入額が倍増する。
自ら税制は寄付に対する障壁の第一因ではないと別エントリで書いておいてなんだが、日本においては寄付の70%が法人からのものであり、法人のロジックは株主に説明がつくかどうかと損金算入が可能かどうかなのだから、法人からの寄付に対する損金参入額の増加メリットは得ておくべき。倍増した部分の金額は指定寄付金と認定NPOを含む特定寄付対象でしか損金算入できないため、一般のNPOよりも格段に寄付を受けやすくなる。
次に、イメージの問題。3万5千ほどあるNPOの中でも、認定NPOは60程度です。NPOにつきまとうアヤシゲなイメージから離脱が可能。
おまけで、新たにNPOを立ち上げて認定NPO化する際に、総寄付金額の10%となっている一者からの寄付金上限が、認定NPOからの寄付であれば50%になるため、別の公益事業をしようと思った時のハードルが低くなる。

ネガティブな面として情報公開範囲の拡大、青色申告と同等の経理、役員に占める親族/特定法人関係者の割合が1/3以下という程度の縛りはありますが、そんなの営利事業やってりゃ普通。
総事業費における80%以上、受け入れた寄付金の70%以上を特定非営利活動に使用していることという条件がありますが、微妙なのはこの項目。
寄付を求めるために使用できるのは最大でも総事業費の20%まで、寄付金の30%までという事になるのですが、決済会社の手数料率は非常に高い。やはり投げ銭システムが課題です。

ちなみに、具体的な例で恐縮ですが、現在東京アートビートが寄付を募っており、将来的に寄付収入が継続的に入ってくるのであればこのスキームに乗る可能性があるのではないでしょうか。
インターネットでの対価先出しであること、主たる事業への寄付であること、投げ銭システムを一応準備していることの3点は満たしています。
意図的に金額を1000円〜1万円に設定したのかは謎ですし、東京アートビートは別エントリで書いたようにその他事業収入と助成金収入が大きいため、認定NPO化は難しいかもしれませんが…。
⇒TABの人に聞いたところ1,000円〜に設定したことに大きな理由はない模様。投げ銭よりも意識的なコミットがほしいという事の現れだろうか?(1,000円は一般的に寄付として決して小さな額ではない)

●個人的にすごく気になっていること
ここまで読んだ気の長い方はいらっしゃるのか気になるところです、というのはさておき。
個人的にはアート関連NPOはもっと事業を拡大してほしいものです。自分で参入する余地があればやってもいいくらい。
しかし、できればアートに興味が薄い一般へのマトモな啓蒙活動(啓蒙活動について気になることはこのあたり)と作品制作への支援に活動を向けて頂きたいと思うのです。

以前からアート関連NPOの公的開示情報を見ていて一つ驚いた事があります。
作品の展示や制作の支援が定款に入っている法人とほぼ同数、啓蒙活動や作品の収集販売を併記している法人がある。
このエントリに書いた、資産家個人または法人が1名から数名で供出している資金で回っている事業者なのかもしれませんが、それにしては数が多い。
NPOで所有する以上は売却益を期待することは難しく、販売は税務上の課税業種と判断される可能性がある。にもかかわらず作品の収集販売を記載しているのはどういう事なのだろう。
⇒実際に販売を定款に記載してる人の一人と話して納得した

目的は不明ですが気になるのは1点、「多数からの実質的な出資を作品の価格に反映させるのは如何なものか」ということ。
海外において数年前からアートバブルが盛り上がり2008年のリーマンショックを起点として2009年にはじけた、ということがよくいわれます。
本当にバブルだったのかはじけたのはさておき、マクロ的には金融グローバリズムによって生じた富裕層の投資マネーがアート市場に参入したとされていますが、アドバイザーとギャラリーによる投資マネーの誘導と、一部のファンドおよびノンプロフィットセクターがプレイヤーとして参入し、他者の資産をアート市場への投資行為に突っ込んだという要素は大きかったのではないでしょうか。
⇒やっぱり過剰な価格コントロールはよろしくないと思うの。特にノンプロフィットセクターがやるのは。

  1. 一般に流通する商業的価値を持つ物品やサービス []
  2. 本来過去5年なのだが期間限定で緩和中。継続? []
  3. まあ確定申告が必要とか損金算入額の計算が面倒とかあるのですが []

アートと寄付について、アメリカと日本の税制とマインドにおれる比較、日本で同様の制度とマインドになった場合の超ラフな試算編。
本編はこちら
※この記事だけ見られてるっぽいので、アメリカの連邦遺産税についてちょっと加筆しました

●アメリカにおける芸術分野への寄付金額
寄付金による各ノンプロフィットセクターへの支援が先進諸国中圧倒的に多いのはアメリカです。
2002年で約1.6兆円が芸術関連セクターへ寄付されています。(データ古くてすいません)
約1.6兆円という数字は、アメリカにおける寄付全体1の約6.5%。

●よくいわれる理由:節税効果
というのは間違ってはいないのですが勘違いされている点も多い。

アメリカの納税制度には概算控除と項目別控除がありますが、寄付をすると節税になるのはを項目別控除を選択している人だけです。項目別控除の選択者は約35%。つまり、65%の人はいくら寄付しようが納税額は変わらない。
項目別控除の人も、現金での寄付については相当分の所得を控除という仕組みなので100万円分寄付しても節税になるのは多くて35万。100万まるまる税金→寄付金になるわけではない。
参考までに一例を挙げると、アートセクターではないですがUnitedwayへの寄付者の41%は概算控除です。個別の寄付額はともかくとして、税制的に優遇されていなくても募金をするという意志が大きいということは読み取れます。

ただし、アートセクターに対してという限定であれば美術品の慈善寄付や売却にはちょっとした特典がつきます。
美術品売却時の課税は分離課税で28%ですが、美術品の慈善寄付控除適用税率は作品時価(保有期間が1年以下の場合は取得費)×通常の所得税率です。
結果、28%よりも高い所得税率で課税されている高額所得者は、美術品の売却代金を寄付するよりも、現物を直接寄付するほうが節税になる。
さらに、相続時売却においても相続発生時の時価×28%の優遇税率となるため、$10万以上の相続時には美術品を含む収集品の方が有利。
アメリカの高額所得者がアート作品に対して節税効果があると認識しているのは、そもそもこの税制があるからです。

※追記:2010年現在、ブッシュ減税により連邦遺産税(相続税は連邦遺産税と州税があります)が0になっています。2011年以降の2年間は500万ドル以上の不動産に対象を限定しての35%課税となりました。過去にも2001年の最高税率55%、障害控除額67.5万ドルから2009年までに最高税率45%、障害控除額350万ドルへと緩和されてきています。基本的に共和党が遺産税廃止積極派、民主党が反対派ということもあり、政権交代によってドラスティックに変化する税制の中でも大きな部分です。税制とアートについて考える場合には、都度現在と議論の対象とする時期の税制調査をお勧めします。

●もっと重要な理由 : マインドと自身の来歴
アメリカでの大学入学においては、成績と同等に最低1年間のボランティア履歴が重視されます。
ボランティアするなら楽しい事や好きな事の方がいい、ということで美術館や博物館でボランティアをする人は結構多い。
結果、社会に出て金銭的な余裕ができると元働いたところに寄付をするというサイクルが成立しています。
節税以前に、楽しい記憶や思い入れがあるところに対して寄付をするという意識が強い。

アメリカでは金銭的な余裕ができるまでの間になんらかの社会的な支援を受けた人が多く、自身が受けた支援を余裕ができたら社会に対して返済するという概念が浸透しているもの個人の寄付が多い大きな理由なのですけど。

●困っちゃう理由 : 強気な寄付の依頼
アメリカの家庭やオフィスには、11月から年末にかけて大量の寄付依頼がやってくる。手紙やメールだけならまだしも、電話もノーアポ突撃も普通。
つきあいのある教会や大学はもちろんのこと、一回行っただけの美術館や楽団、アンケートに答えただけのNPO、どうやって調べたのか謎ですが聞いたこともない団体から日本の携帯にまで電話がかかってくる。なぜか居住したことのないフランスやイギリスの団体からまで電話がかかってきて閉口するのですが…日本在住なのに。
しかしまあ、強気な依頼と多額の広告費が効果があるのも事実のようで、毎年途切れることのない年賀状のように依頼が来ます。
おそらく、この強気極まりない営業活動も寄付の多さには影響しているはず。

●日本ではどうなのか
実は税制上は「寄付金(所得金額の40%を限度)−5千円」が所得控除となるので税制上はアメリカより有利だったりするのですが、年末調整では控除できないため、「確定申告すれば」という前提があります。
さらに、認定NPO法人や特定公益増進法人への寄付以外は控除対象になりません。
文化庁 : 文化関係の税制について

控除対象を広げりゃいいのにとも思いますが、広げたとしても年間数十万単位で寄付する人やイヤでも確定申告しなきゃいけない人ならともかく、ほとんどの人にとっては確定申告する手間の方が寄付による控除よりも重いのではないでしょうか。

マインド的には言うまでもなく寄付という活動が世間に染みついているとは思えず、寄付先を選定するという認識にも欠けている。
そして各公益増進法人やNPOは寄付依頼の営業を全くと言っていいほどしていない(宗教法人を除く)。

●もしマインドがアメリカ並になったら
どのくらいの寄付が期待できるのか試しに試算するために、まあアバウトに納税所得者=寄付ができる余裕がある人とする。
アメリカの平成19年納税申告者数は143百万人。年末調整制度が無いアメリカでは、日本での個人納税者合計数4657.5万人2に相当。
Unitedwayへの概算控除納税者の平均寄付金額$101を参考にして、仮にアメリカ同様に70%3が1人あたり1万円を寄付すると考える。アメリカでの家計ごと寄付額総額は収入の2.1%に達するので、寄付をするという文化が根付けば決してオーバーな数字ではないはず。
結果、寄付総額は326,025百万円、アメリカでのセクターごと寄付額の割合にあてはめると、芸術セクターへの寄付は21,190百万円。+資産家の寄付が大きな上積み。

平成21年の文化庁予算は102,012百万円4

比率が芸術セクターまるごとなので寄付がどこに向かうのかはなんとも言えないが、単純計算すると文化庁予算に対して20%の上積みが期待できる可能性がある。
アメリカでは宗教セクターへの比率が高いこと、資産家の大口寄付を考慮に入れていない点を含めて考えれば、もっと大きな数字になってもおかしくはないのではないか。

しかしですね。増えたらどうなるのよ?が私の一番の疑問なわけです。
日本ユニセフの2008年度、日本国内で行われる広報・啓発活動等への賛助寄付金が7,700万円、開発途上国の子どもたちへの支援を目的とされた募金が170億円。
国境なき医師団の2008年度寄付金収入が31.3億円。
試算してみた芸術セクターへの寄付額は約212億。上記2団体の収入とほぼ同額になります。
…増えるのはいいけどいったい何に使うの?そもそもアートへの寄付っていくら必要なの?というのがさっぱりわからない。

以前から「芸術への寄付を損金対象に!」「税金の一部を投入先選択制にして芸術方面にもっと予算を!」と叫ぶ方々がいらっしゃるのは事実で、それはまあ悪いことではないんですが、いったいぜんたい何に使う気でいくら増えると思っているのかお伺いしてみたいものです。

  1. 寄付元の内訳は個人が約23兆円、法人が1.5兆円。
    寄付金の行き先は1/3が宗教団体、以下、教育、福祉、医療・保険、芸術・文化関連。 []
  2. 個人納税者のうち約16.7%が確定申告をしており、≒で寄付金控除の対象になりやすい人たちという事になる []
  3. 1999年のデータでなんですが、アメリカでは70%の家計が慈善団体に寄付をし、総額は収入の2.1%(寄付をした家計の平均は1,075ドル) []
  4. 一部の内訳を記載しておくと、
     新進芸術家やアートマネジメント人材等の育成予算として2,073百万円、
     文化発信のための国内基盤整備のうち美術館等活動の推進として37,248百万円、
     最高水準の舞台芸術公演・ 伝統芸能等への重点支援等として7,156万円。 []

日本NPO法人を前提とした寄付先の選定は結構ハマりどころが多いものです。
選定対象からさくさくっと除外する事が多いから候補が少なかったり、ちょっと進呈しようと思っても調べてみると微妙だったり。
寄付するかどうかは二の次1としても、こんなんでええんかいなと思うNPO法人が多いのも事実でして…。

●事業報告書と決算書類すら開示していないNPOに寄付しろという方が無理がある
海外の非営利団体は大抵のところが管理も報告もきっちりしている。
特に小さい団体は各個人からの寄付に対し使途を寄付者の希望と摺り合わせて決定しているところもあり、スーパーのレシート並な報告書が写真付きで来たりする。読んでられないボリュームが来ることもありますが、「どこで何にいくら使ってこうなりました」という報告が来るのは嬉しいもの。特に非支援者を特定できているりすると成長が垣間見えたりもしますし。

国内団体は…さっぱり。もらったものは使わせてもらいます状態。
日本のNPOは法的に事業報告書と決算書類の提出は義務づけられているにもかかわらず、寄付者に対してWebで決算書類を出すこともしないのは如何なものか。
寄付でなく会費という形で下限を決めているところも同様。集めておいて「あとはおまかせ」は無いだろうと。

●経済活動のためのNPOが多い
これは大きく分けて4つ+それぞれの複合になるのですが、これらの団体に対する寄付って慈善寄付ではないよね?と思うのです。
寄付したとしても満足度低すぎるし。
1.業界広報団体化している
2.受益者からの寄付が多い
3.NPO法上のその他の事業からの収入が多い
4.法人税法で定義する収益事業を営んでいる

1.の場合は業界各社からの寄付と広告宣伝費で活動が賄われるため個人が寄付をする対象となることは少ないのでひとまず対象外。

2.の場合は、例えばwikipeiaが一例。wikipediaを使って便利だと思っている人が寄付をする。
この場合の寄付はユーザが任意の利用料を受益者負担的な意志をもって支払うことなわけで、相手がNPOだろうが個人だろうが営利事業者だろうが構わないわけです。
アメリカ在住者なら寄付金控除され…というのは別エントリで書いたとおりなんですが、これは寄付というより善意の利用料ですよね。

3.の場合についてちょっと説明すると、日本のNPO法人は収益を全額本来の事業のほうに入れること、収益を得る事業の支出が総支出の50%以下であることを条件に、主たる特定非営利活動以外に収益をあげる事業を行うことができます。
例を挙げると東京アートビート。「経費の30%以上は、助成金や寄付金によって支えられています」ということは、70%弱はその他の事業から得ている。
収支会計書を見てみると、短期借入を除く約2520万円の収入のうち、雑収入とその他の事業(広告事業)収入で約1740万円を得ている。助成金を含めると2285万円。
現在東京アートビートでは上記リンクから寄付を募っているわけですが、これは経営的に言うと「事業不足額を受益者であるWebsite/iphoneApp利用者からの利用料で補填」。
私もちょこっとだけ寄付+iphoneのAppを購入させて頂きましたが、個人的には「ありがたく使わせて頂いてます」としてのサービス料支払的認識です。
情報サービス業・インターネット附随サービス業は法人税課税対象33事業には入っていないので、この寄付とiphoneAppの売り上げを会計上業務売上として扱うのか寄付金として扱うのかも気になるところ。

4.の場合についてちょっとじゃない説明をしておくと、NPOだからといって一律非課税なわけではなく、営利企業と競合する事業の場合は法人税が課税されます。
課税収益事業の定義は、「事業場を設けて継続して行う、政令で定める34事業2のいずれかに該当する事業」。
わかりにくいんですが、「34事業は一般営利企業もやってるんだから不利益にならないよう課税するよ」というルールです。逃げ道いっぱいあるけど。
ここで面倒なのは「定款に書いてるだけなのか実際に収益あげてるのかどうか」をわざわざ損益計算書見ないと分からないということなのですが…。

おまけとして、財源に困らないNPOというものもあります。
主に資産家個人または法人が1名から数名で供出している資金で回っている事業者。
日本国内においても企業からの寄付金は「(資本金の0.25%+所得金額の2.5%)÷23」まで損金算入できるため、会長または理事が所有する法人からの寄付が財源となっている場合が多い。
それ以外にも元公的施設の運用を実施しており助成金が多い等の理由もありますが、基本的に安定的に入ってくる収益の中で支出していくため、外部からの寄付や収入を必要としない。

で、この5つに該当しない慈善事業的性格を持つNPOって何?と言われると、これが意外と少ない。
あるにはあるのですが、認定NPOばかり。そりゃそう…なんでしょうか。

  1. 参考までに現時点での個人的な寄付+寄付に近いものの対象を記載しておくと下記の通り。
    括弧内は内訳比率。今年はハイチ関連で比率が異常だけど。
    日本国内団体/個人 :
    ・若手アーティストに対する個人的な作品制作経費の援助(24%)
    ・美術館と博物館に対する寄付(9%、控除対象 美術館の個人賛助会員費用は除く)
    ・大学への寄付(10%、控除対象)
    ・ハイチ震災支援(22%、控除対象)
    海外団体 :
    ・大学への寄付(7%)
    ・自然保護活動への寄付(11%)
    ・発展途上国の生活、教育支援活動への寄付(10%)
    ・オーケストラへの寄付(7%) []
  2. (1)物品販売業 (2)不動産販売業 (3)金銭貸付業 (4)物品貸付業 (5)不動産貸付業 (6)製造業 (7)通信業 (8)運送業 (9)倉庫業 (10)請負業 (11)印刷業 (12)出版業 (13)写真業  (14)席貸業 (15)旅館業 (16)料理店業その他の飲食店業 (17)周旋業 (18)代理業 (19)仲立業 (20)問屋業 (21)鉱業  (22)土石採取業 (23)浴場業 (24)理容業 (25)美容業 (26)興行業 (27)遊技所業 (28)人材派遣業 (29)遊覧所業 (30)医療保険業 (31)技芸教授業 (32)駐車場業 (33)信用保証業 (34)無体財産権提供業 []
  3. 寄付先が認定NPOではない場合。例:資本等の金額5000万円、年間所得金額1億円で年間131.25万円まで []

されない雪だるまの作り方@都内編。
1.転がす
2.湿っている雪を貼り付ける
3.転がす
4.角が出来てきたら削り取る(積雪が少ないので路面で面ができて転がらなくなるので)
以下、3と4を繰り返す。
大きくなって動かなくなってきたら全体重を載せる感じで廻すか、テコの原理でごろごろと。

めざせ巨大化!王様に喜んでもらうんだ!

いやー疲れた。手首と腰が痛いです。それよりも何よりも恥ずかしいのなんのってね…。
路面の雪残ってもこの子だけ残ってたらどうしよう。車出せないよ…崩すのも忍びないしな。

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