旧江戸川→三崎→富浦→旧江戸川のはずが、旧江戸川→三崎→館山→富浦→三崎→旧江戸川に。
江戸川→三崎
波で同乗者が酔ってしまったものの久里浜までは通過。
久里浜→三崎は初体験ゾーン。陸付近を進んでいくと、目の前に定置網の大群が…
あわてて沖側に出て再度アプローチして事なきを得る。
三崎→富浦のはずが館山
三崎でごはんの後、給油してから富浦へ。しかしここで同行の船団から置き去りに。
給油してから電話するって言っておいたのに…。
三崎を出るとひどいうねり。おまけに午後から吹き出した風でトップは白波状態。
一旦諦めて三崎へ戻り数時間待ち。
行程から外れるのが気になってしまい、16時半過ぎに三崎を出発。後から考えるとこれが一番の判断ミスだった。
出ると相変わらず南南西からの大うねり。出てしばらく南東に走るも、うねりは更に大きくなり180度回頭するのも難しい状況。回頭できたらできたで追い波を受けまくることになるので安易に船を回せない。
周囲に船はなく、彼方に見える本船もデッキの高さまでしぶきをあげている状態。
FBからでも1つか2つ先の波まで見えるのがいっぱいいっぱいの高さで、波間に落ちると周囲は完全に波の壁。
本気で死ぬかと思いました…。
真東に走ると横波を受けることになるので斜めに走ろうとするが、波に対してステアとフラップとアクセルで姿勢を作るのが精一杯のためしばらくの間ひたすら南に。
出航15分後くらいの場所はここ。だいぶ南に走ってます。
青い線がだいたいの予定針路。赤い線がGPSのログから引いた大体のルート(ログが飛び飛びなので。実際はこんなに針路安定してない)

途中まで、GPSの針路線は房総半島の南端を掠めるかどうかのまま。このまま太平洋に出るの確定したら118に電話しようと本気で思っていた。
途中で比較的波が小さくなったので一気に東進して房総半島へ。
小さいうねりは右後ろから受けて、大きいうねりは右60度くらい、さらにデカい波は仕方ないので針路を南に取って右30度くらいで受ける。
たどりついたのは館山よりさらに南の沿岸。
北上して富浦か館山を目指すも、ひたすら追い波。何度か波のトップに乗ってしまい、FBから下を見ると海面は船首のはるか下。追い波に対してまっすぐにするので精一杯。
追い波に乗って高速で北上していると、波のトップに乗った瞬間にいくつか先の波間からぽこっとブイが…
慌てて波間に降りつつ西側に回頭、しばらく波間を全速で西に走って網から遠ざかる。そして岸からも遠ざかる。せっかく岸に近づいたのに!!!
網をかわして再び北上。しばらくするとドライブあたりから「どかどかっ」と音が。そして振動発生。ペラが何かにあたった…
網もないし海面には何も浮いてない。岩礁でもなさそうだし…
原因を考えている余裕もなく、当座の対応を検討。
日没までの時間的にも富浦まで北上するのはリスクが高いと判断、館山港に入港することに決める。
この後の追い波地獄が精神的には一番辛かった。
時間的にはそんなに長くないのだけど、震動は気になるしスロットルワークに対しての反応が少し悪化していて、波に対しての速度調整が難しい。
下手するとブローチングで一発さようならなので無茶苦茶怖かった。
日没前に館山へ入港。結局三崎→館山で1.5時間。通常なら45分の行程。
翌朝、ドライブをいっぱいまで上げてみるとDPの前翼が左右共に曲がっててほとんど折れかけ。
どうみても網いワイヤーなんかではなくデカい流木です。不運な…。
曲がってるよりはない方がマシとペンチで除去。
ちなみに館山港は係留できる場所がそれなりにあって、スーパーも風呂を借りれる民宿も近くにあるといういい港でした。
富浦で遊ぶ時も、館山に泊まって富浦まで船で行く方が便利だし楽しいと思う。
富浦も新港だとまた違うのかもしれないけど。
館山→富浦
前日とは打って変わってべったべたの凪。昨日のはなんだったんだ!
富浦湾の入り口で迎えに出てくれた仲間の船と合流して旧港へ。
ペラ欠けてても20ノットで巡航できて、なんということもないショートクルーズ…だったのですが、入港時に前の船に近づきすぎてプチ追い波状態に。
日頃だったら「おっとっとー減速減速」くらいなのですが、追い波の感触が来た瞬間に昨日の恐怖がフラッシュバック。
操船中なのでどうにか押さえ込んだものの、内心は恐慌状態。
その後半日は平和だったものの、夜うつらうつらしている時に
前日の操船時に大きな波を超えてジャンプした時に右膝をしたたかにステアリングで撲ってできたひどいアザに何かが当たり、
疲労もあって再びフラッシュバック。どうにか船外に走り出たものの思いっきり吐きました…。
富浦の海は綺麗で良かった。前日のうねりで砂が浮いていたのは残念でしたが。
富浦→三崎→旧江戸川
3日目、富浦から千葉側廻りは波が高そうということで再び三崎経由で戻ることに。
大きな船の航跡を追って平和に20ノット巡航。…一昨日のは何だったんですかマジで!!!
その後
大波のトップからダイブしてミシミシ鳴っていた船体は特に問題はなし。
FBまで塩で真っ白になっていたので洗い流すのは一苦労でしたが。
ペラは前翼2枚交換。固着していてシャフトから抜けず、上架後切断して交換。
ついでにクラックが入りかけていた左エンジンのドライブオイルタンクも交換。
人間の方は帰宅後疲労で28時間爆睡。
月曜日にオフィスに行っても、会議の時間に数人がほぼ同時に立ったのが視界に入って、次々に寄せてくる横波を思い出してフラッシュバック、嘔吐一回。
数日は尾を引きそうです…
まとめというか教訓
●一度出たら戻れないかもしれないと思っておいた方がいい
とまではいわないが、念頭においた上で出航しない勇気は非常に重要。
●同乗者にもリスクがある
車だって何だってあるっちゃあるわけですが、車の場合は危険だと思ったらゆっくり走るか止まるという方法があるのに対し、
船の場合はどこかの港に逃げ込まない限り安全ではない。
ゆっくり走ったり止まったらそっちの方が危ない事も多い。
同乗者には予めリスクを説明しておくか、慣れていて自覚している人に限定すべき。
その上で、船長は全てのリスクを背負ってることを忘れないこと。
船長が自覚していないと、いざという時に責任を感じて恐慌状態に陥ります< 俺
一緒に行った友人には本当に申し訳ないことをしたと反省中。
●流木は見えない
沈んでるデカいのは全く見えません。
あいたたたたたた…
●同速度の艇と行くべきだ
同行の船が速かったり遅かったりすると非常に辛いです。
速いとついていけないし、遅いとプレーニングすらしなくて揺れるわ燃費悪いわスロットルコントロール大変だわで往生します。
●サイズに勝るものはない
大きな船の方が向かい波にも強いし止まってても揺れない=横波にも強い。
当然船体の設計によるけれども、基本的には波が高い時は大きな船の方が楽です。
しかし、27ftと45ftではほぼ同行程で燃費が4倍…(約400L対約1600L)
ついでに言うとサイズが大きければパワーも必要だし艤装も贅沢になるわけで、船体価格は4倍以上。むむーん。
●波切りを取るか揺れないのを取るか、FBを取るか低重心を取るか
うちの船、船体形状がディープVのため比較的凌波性はいいものの、止まってると揺れるし喫水もサイズの割に深い。
おかげで助かったというほどかどうかは疑問ですが、今回の高いうねりでも横に滑り落ちたり斜めに飛ぶ事も無く回頭性を保てたのも事実。
26ft〜28ftサイズ前提だと、荒天時を考えるとディープVの頑丈なハル+高出力ディーゼル2機掛けはいい選択肢だったのかもしれません。
FBなかったらもうちょっと楽だったんじゃないか疑惑もありますが、
キャビンだと周囲は波の壁しか見えなくて次の波がどう来てるか判断できなかったでしょうからなんとも言えないところ。
●船より人が重要
速度は我慢できても誰と行くかは本当に重要。
道路があるわけではないので、制限速度も針路も自由。
何か理由がない限り、針路と速度を保持できるうまい船長の船と行くのが正しい選択。
船は車のように反応が速くないので、ふらふらよろよろ走る船の後ろにつくのは大変です。
●飲んだら操船するな
いやマジで。私じゃないけどべろべろに飲んで操船してるアホがいましてね。
告発する気はないけど、自艇の同乗者も他の船にとっても危険だということは理解して頂きたいものです。
絶対二度と一緒の船団では行かないし、今後どこかで行き合ったらさっさと離れます。
…しかし結構数が出ててどこにでもいる艇種な上に外装もノーマルでさっぱりわからん。
●定置網怖い
黒いブイで視認し辛かったりだったりするんですよ…。
なるべく沖側を通りましょう。夜は特に。
●練習しろよ!
横抱き受けようとして2回ぶつけられました…波も流れもないところで。
見るからに慣れてなさそうな船と酔っぱらい船と一回ずつ。
レンタル艇だったらまあ大目に見ますけど、自艇かつ波もないところでの横抱き程度でぶつけるってどういうことよ!スロットル切れよ!
ガンネルがあたるくらいならわかるけど、舳先のアンカーからぶち当たるなんてどういう操船かと。
そして、横抱きしてもらう時は先方の船に許可を取るか係留場所の係員の指示で着けましょうねー。
勝手に寄ってきてぶつけられるとマジで頭に来ます。
●トリムの使い方は熟知しておくべきだ
バウを下げると加速・プレーニングしやすくなるが回頭性が悪化して揺れが酷くなる。
バウを上げると波は越えやすくなるが上げすぎると船底にまともにパンチングを受けたり、波を超えれなかったりする。
低速時はバウを最も下げた状態で。プレーニングしたら徐々に上げて行くと、ステアリングが多少軽くなって操船が楽になる(速度も上がる)あたりがベストなトリム。
ロールしている場合は左右どちらかを上下(場合によっては両方)して対応する。
右にロールしている場合は、右を上げるか左を下げる。
いずれにしても、操作後一瞬たって左にロールするとともに左に回頭しはじめるのでステアリングを少し右に切って針路を戻すとともに水平にする。
一押し二押しで効果があるので、むやみにトリムスイッチを押しまくらないこと。下手するとひたすら左右にヨーイングするだけになる。
波が高い場合はなるべくバウを下げて走った方がいい。バウが波に突っ込むかもいれないと思ったらちょっと上げる。
次の波が斜めや横から来ている場合には、波の方向にあわせて針路を変えると同時にトリムでロールをあわせておくと楽。
追い波の場合にはバウを下げているとブローチングしやすくなるので上げ気味に。トップに乗った時に海面がものすごく下に見えて怖いけど。
フルに上げっぱなしで走ってる人って多いんですねというのも今回びっくりした事の一つ。
というのをまとめて学べる航海というのはいかがなものか。